Today’s Wagashi : Flower Petal Cake – Gyuhi/Seppei
本日の和菓子 : はなびら餅 求肥・雪平製
2018年はじめての和菓子教室を開催し、花びら餅を作りました。
例年は求肥製のものを作りますが、今年は求肥に白あんを練りこんで雪平製のものも作りました。
はなびら餅とは…
———————————-
平安時代の新年行事「歯固めの儀式」を簡略化したもので、600年にわたり宮中のおせち料理の一つと考えられてきたそうです。
歯固めの儀式では長寿を願い、餅の上に赤い菱餅を敷き、その上に猪肉や大根、鮎の塩漬け、瓜などをのせて食べていたが、だんだん簡略化され、餅の中に食品を包んだもの(宮中雑煮とよばれた)を、公家に配るようになった。さらには鮎はごぼうに、雑煮は餅と味噌餡でかたどったものとなった。
宮中に菓子を納めていた川端道喜が作っていた。明治時代に裏千家家元十一世玄々斎が初釜のときに使うことを許可され、新年のお菓子として使われるようになり、全国の和菓子屋でも作られるようになった。
———————————-
wikipediaより抜粋
最近は都内のスーパーでも見かけるようになったはなびら餅は、長い歴史のあるお菓子なんですね。私も、和菓子作りを習ってからというもの、毎年、年があけたら必ず作っています。
あらかじめ、ごぼうの蜜煮を作っておきます。ごぼうはやわらかく煮てから、蜜に漬けて二晩置きます。
今回は黒糖を隠し味に使いました。ごぼうの香ばしさに黒糖はよく合います。
黒糖を使った分、色も少し褐色味が強くなります。
今回は、昔ながらの製法、蒸し器で蒸してから練る「蒸し練り」という技法で雪平生地を作りました。
蒸し器を持っていない方は、鍋にざるなどを置くことで蒸すこともできます。
お餅を蒸している間に、味噌あんを作っておきました。
ほかほかに蒸しあがったら、生地をフライパンにうつして、ヘラで練り込みます。
砂糖の半量は、この練り上げる過程で加えていきます。生地がなめらかになって、つやつやになったら出来上がりです。
ここは結構力のいる作業となりますが、お教室では参加者の方々が交代しつつ練り上げていきました。
「蒸し練り」の雪平が出来上がった後には、ご家庭で手軽にできる、電子レンジを使って求肥を作る方法も実習しました。
アメリカの電子レンジはパワフルなものが多いので、様子をみつつ1分ずつ電子レンジで加熱して、しっかり練るという工程を繰り返し行います。
求肥ができあがったら、10等分して平らにし、セルクルで丸く抜きます。
味噌あんをぬって、ごぼうをのせて、二つ折りにすれば出来上がりです。
上記の写真は過去のものですが、ごぼうの蜜漬けに黒糖を使っていないので、色が白いのがよくわかります。
上の写真は、参加者のSさんからおかりしました。ミラーレスカメラで美しくとっていただきました。嬉しいですね。ありがとうございます。
お教室で使っているティーマットは、インドネシア中部ジャワのチレボンにあるバティック(ジャワ更紗)工房「Studio Pace」のものです。天然染料を使ったろうけつ染め製です。90年代にインドネシアでバティックを学んでいた事があるのでろうけつ染めの事は少しわかるのですが、「Studio Pace」では、「色」と「柄」両方において、クオリティの高い本物の手描きバティックを作られています。
通常バティック製品は、インドネシアの正装である「サロン」という腰巻となることが多いのですが、この「Studio Pace」では、ティーマット、テーブルクロス、ブックカバー、ポーチなど、日常的に使うことのできる小物も作られています。オーナーの日本人女性の細やかなセンスが生きている素晴らしい製品がたくさんあります。
バティックを習っている時は、将来和菓子を作るようになるとは夢にも思っていませんでした。当時あまりにもの美しさに悶えて購入したバティック製品が、今こうやって自分の作る和菓子や漆塗りの器と同じ空間に並べられるようになるとは…そしてそれらがしっくりと美しく調合している様子に、いまさらながら驚きます。
バティック職人さんがろうを重ねた手描きろうけつ染めティーマット、人の手によってひとつひとつ絵を付けられた長崎県は波佐見(はさみ)焼の白磁湯呑、漆を塗り重ねた京都の福梅皿、そして手作りのはなびら餅。参加者のみなさんと一緒に、とても豊かで贅沢な時間を過ごすことが出来ました。
オハイオ州クリーブランドで、季節の和菓子を作るお教室を開催しています。ご興味のある方はどうぞお知らせください。