感動を和菓子に

 

10年以上前のこと、ある日ふと見たテレビ番組に映し出されたパステルピンクの桜の練り切りを一目見て、和菓子に恋をしました。

「かわいい!」

一目惚れをしてしまった私は、「自分でも作ってみたい」という思いに突き動かされ、その場ですぐに和菓子づくりの本を発注したのです。

それから、和菓子作りの日がはじまりました。

本を見ても思うような練り切りは作れず、果たして正しいのかもよくわからず、プロの手ほどきを受けることにしたのですが、その当時は今のように和菓子を習える教室はあまりなく、四苦八苦。ようやく見つけたお教室で一から和菓子作りを習い、時間を見つけては自宅でも無我夢中に和菓子を作りました。

そして、2人の先生の手ほどきを受け、体系的に和菓子を学べるお教室に通い、気が付けば100種類以上の和菓子の作り方を習いました。桜もちひとつをとっても、東京と京都、地域かわれば和菓子の作り方も出来上がりも違えば、その背景も違います。

桜の琥珀糖とねりきり

和菓子の味の優しさはもちろん、四季折々の自然を映し出す意匠の美しさ、洗練された技術、つむいでこられた歴史、そのすべてに魅了され、知れば知るほど作れば作るほど、もっと知りたいもっと作りたいという思いがつのります。

こんな素晴らしい伝統的な和菓子に出会えたことに、本当に感謝しています。

季節折々の花や木々、川の流れ、湖の色、自然の美しさにを感受する時、その感動を映し出すことが出来る和菓子。まるで小さなアートピースのような和菓子を、ずっと作り続けていきたいと思っています。

 

将来の目標・夢

 

今現在、米国オハイオ州クリーブランドを拠点としています。
よく「アメリカでも和菓子が作れるのですか?」と聞かれますが、アメリカでも材料は十分に揃えることが出来ます。

「もちこ」は身近なスーパーで販売されていますし、小豆や白玉粉、クリーミーな白あんを作れる豆もあるので上生菓子、焼き菓子、蒸し菓子、竿もの、半生菓子、干菓子、とあらゆる和菓子を作ることができるのです。

そして、日本から遠くはなれたこの地でも、季節の和菓子を作り味わい、楽しんでいます。

日本では、和菓子ブームがきています。私が和菓子を習い始めたころは、こんなにたくさんのお教室はありませんでした。嬉しいことです。海外でも和菓子が人気!というニュースもみかけるようになり、ブームの兆しを感じています。日本の素晴らしい和菓子が、国境を越えて海外でも少しずつ広がってきているのはとても素晴らしく、誇らしいと思っています。

2016年には、「琥珀糖のレシピ」を上梓する機会をいただきました。伝統的な和菓子を、広い世代の方々に興味をもって作っていただくことに少しでもつながっていれば幸いです。

美しい自然が映し出された手のひらサイズの芸術、そしてヘルシーな和菓子、素晴らしい日本の文化を、日本の方はもちろん、一人でも多くの世界各国の方々に知ってもらい、触れてもらい、楽しんでいただける機会をつくっていくことに関われればとても幸せです。いつか「Sushi」「Karaoke」「Sumo」「Matcha」「Mochi」のように、「Wagashi」という言葉もグローバルなものとなることを願って。

 

抹茶と琥珀糖

抹茶と琥珀糖